ワンちゃん，ネコちゃんの病気編－腫瘍

みなさん，ちょっとまた間が空いてしまいましたが，いかがお過ごしですか？
毎日天気が良くて，まさにゴールデンウィーク真っ盛り！！って感じですね☆

ワンちゃんやネコちゃんと一緒にゴールデンウィークを過ごされている方もいれば，ワンちゃんネコちゃんはちょっとホテルにお預けして，どちらかにお出かけされている方もいるのでしょう．
海外（上海万博？）に国内に近場にお家に…などなどと色々あると思いますが，疲れが出ないようにどうぞ気をつけてください．

さて，今回のブログは，昨年にも時々出てきました，「ワンちゃんネコちゃんの病気編」で，今回は腫瘍についてです．
つい先日，腫瘍学のセミナーに出席してきましたが，やはり腫瘍学も御多分に洩れず日進月歩でありまして，日々最新のアップデートに努めなければならないと再確認いたしました．

ところでみなさん，ワンちゃんネコちゃんもガンを患うことがあることは知っていますか？
当然知っていますよ～！って方が大部分ですかね？
でも，「犬や猫にもガンがあるなんて知りませんでした」といわれる方も結構いらっしゃるのですよ．
それでは，病気で亡くなるワンちゃんやネコちゃんの死因の中で悪性腫瘍（ガン）は何％くらいでしょうか？
答えは，ワンちゃんで４７％，ネコちゃんで３２％なのです．
つまり，ワンちゃんの約半数，ネコちゃんの約１/３が癌で死亡していることになるのです．
これって，ちょっと驚きじゃないですか？
まさか，犬の約半数，猫の１/３が癌で死んでいるなんて．
でも，これが事実なのです．

ワンちゃんネコちゃんは，我々ヒトのような動脈硬化などが原因となる血管疾患（脳梗塞や脳出血，心筋梗塞などなど）が殆どゼロに近いくらい少ないため，腫瘍疾患が相対的に多くなります．
ちなみに死因の第２位は，ワンちゃんが心臓病（ほとんどが心臓弁膜症）で約１２%，ネコちゃんが腎臓病（泌尿器疾患）で約２３％です．
この数字を見てみても，いかに腫瘍疾患が多いかがわかりますよね．

さあ，それでは，どういったことに注意していけばいいのでしょうか？？
答えは，「定期的な健康診断」，これに限ります！！
って言うか，これしかありません！と言っても過言ではないでしょう．

多くの腫瘍は，ヒトと同様に中年以降に多くみられます．（もちろん若い時期に発生する腫瘍もあります）
それじゃあ，ワンちゃんネコちゃんの中年っていったい何歳くらい？でしょうか．
そうです，６から７歳くらいです．
でも，６歳７歳って，ちょっと前までまだ子供だと思っていたのに～，しかも，お顔だって全然老けていないしー・・・．
ハイハイ，よーくわかります．
外見的にはいつまでも子供のような顔をしていますからね．無理もありません．
ヒトの年齢に換算したって全然リアリティがないですよね．ホントそう思います．
でも，例えリアリティがなくても，頭の中では，そろそろうちの子もそういう年齢に達してきたんだなぁ…と思ってくださいね．
なので，定期的な健康診断がすっごく大事になってくるのです．

じゃあ，どれくらいの間隔で行えばいいの？？
とっても，いい質問です．
ワンちゃんネコちゃんは，人間のおよそ４倍のスピードで年をとります．（大型犬は６,７倍）
従って，３カ月が人間の１年に相当します．
と言うことは，４０歳を超えた人間が１年に１回の健康診断を普通に行うように，理想的には３カ月に１回の割合で行っていただければ最高です．
ただ，３カ月というのはあっという間に過ぎますから，せめて，１年に最低でも２回，できれば３回くらいは健康診断を受けていただくことが望ましいですね．
健康診断では，血液検査や尿検査，レントゲン検査や心電図，血圧検査，そして，超音波検査などを行いますが，一番重要な検査は，何と言っても細かい身体検査です．

身体検査というのは，英語でphysical examinationといいます．
このphysicalが身体でexaminationが検査となるのですが，physicalはワンちゃんネコちゃんの身体ではなくて，正確には，我々獣医師の身体，つまり，眼，耳，臭い，触覚などなどの五感を駆使した精密な検査というのが本当の意味になります．
だから，我々獣医師は，ワンちゃんネコちゃんの身体を我々の五感を駆使して，執拗にまで見て聴いて嗅いで触ってまた見て・・・というふうにチェックします．
この細かいチェックが，ガンの早期発見につながるのです．（もちろん他の病気もね）

だから，普段よりいろんな所を触っても嫌がらずに喜んで楽しんでちょうだいね．
我々も，細かいちょっとした変化も見落とさないように努力するからね．
よろしくお願いいたします☆

定期健康診断に関しては，また，後日改めてブログにアップいたします！！
こうご期待を！！