2012年3月31日土曜日

狂犬病予防法

明日から4月ですね.今年も早や1/4が終了したんですね.
早いもんだ~.
4月といえば狂犬病定期予防注射期間が始まります.
ところでみなさん狂犬病がワンちゃんを飼うにあたって義務であることはご存じだと思いますが,狂犬病に関する法律「狂犬病予防法」って読んだことあります?ふつうないですよね.
今日は狂犬病予防法の一部を抜粋して読んでいただけたらと思います.
狂犬病は日本にないから打たなくていいなど色々なことを言う方がいますが
他に通行人がいないから赤信号を渡ってもいいみたいな理屈に聞こえます.
同じ社会で暮らしていくために,法律で定められたルールですから,きちんと接種しましょう.

第一章 総則
第一条  この法律は、狂犬病の発生を予防し、そのまん延を防止し、及びこれを撲滅することにより、公衆衛生の向上及び公共の福祉の増進を図ることを目的とする。
第二条  この法律は、次に掲げる動物の狂犬病に限りこれを適用する。ただし、第二号に掲げる動物の狂犬病については、この法律の規定中第七条から第九条まで、第十一条、第十二条及び第十四条の規定並びにこれらの規定に係る第四章及び第五章の規定に限りこれを適用する。
 犬
 猫その他の動物(牛、馬、めん羊、山羊、豚、鶏及びあひる(次項において「牛等」という。)を除く。)であつて、狂犬病を人に感染させるおそれが高いものとして政令で定めるもの

第二章 通常措置
(登録)
第四条  犬の所有者は、犬を取得した日(生後九十日以内の犬を取得した場合にあつては、生後九十日を経過した日)から三十日以内に、厚生労働省令の定めるところにより、その犬の所在地を管轄する市町村長(特別区にあつては、区長。以下同じ。)に犬の登録を申請しなければならない。ただし、この条の規定により登録を受けた犬については、この限りでない。
 市町村長は、前項の登録の申請があつたときは、原簿に登録し、その犬の所有者に犬の鑑札を交付しなければならない。
 犬の所有者は、前項の鑑札をその犬に着けておかなければならない。
 第一項及び第二項の規定により登録を受けた犬の所有者は、犬が死亡したとき又は犬の所在地その他厚生労働省令で定める事項を変更したときは、三十日以内に、厚生労働省令の定めるところにより、その犬の所在地(犬の所在地を変更したときにあつては、その犬の新所在地)を管轄する市町村長に届け出なければならない。
 第一項及び第二項の規定により登録を受けた犬について所有者の変更があつたときは、新所有者は、三十日以内に、厚生労働省令の定めるところにより、その犬の所在地を管轄する市町村長に届け出なければならない。
第五条  犬の所有者(所有者以外の者が管理する場合には、その者。以下同じ。)は、その犬について、厚生労働省令の定めるところにより、狂犬病の予防注射を毎年一回受けさせなければならない。
 市町村長は、政令の定めるところにより、前項の予防注射を受けた犬の所有者に注射済票を交付しなければならない。
 犬の所有者は、前項の注射済票をその犬に着けておかなければならない。
第六条  予防員は、第四条に規定する登録を受けず、若しくは鑑札を着けず、又は第五条に規定する予防注射を受けず、若しくは注射済票を着けていない犬があると認めたときは、これを抑留しなければならない。

第三章 狂犬病発生時の措置
第八条  狂犬病にかかつた犬等若しくは狂犬病にかかつた疑いのある犬等又はこれらの犬等にかまれた犬等については、これを診断し、又はその死体を検案した獣医師は、厚生労働省令の定めるところにより、直ちに、その犬等の所在地を管轄する保健所長にその旨を届け出なければならない。ただし、獣医師の診断又は検案を受けない場合においては、その犬等の所有者がこれをしなければならない。
第九条  前条第一項の犬等を診断した獣医師又はその所有者は、直ちに、その犬等を隔離しなければならない。ただし、人命に危険があつて緊急やむを得ないときは、殺すことを妨げない。
第十一条  第九条第一項の規定により隔離された犬等は、予防員の許可を受けなければこれを殺してはならない。

第五章 罰則
第二十七条  次の各号の一に該当する者は、二十万円以下の罰金に処する。
 第四条の規定に違反して犬(第二条第二項の規定により準用した場合における動物を含む。以下この条において同じ。)の登録の申請をせず、鑑札を犬に着けず、又は届出をしなかつた者
 第五条の規定に違反して犬に予防注射を受けさせず、又は注射済票を着けなかつた者
 第九条第二項に規定する犬等の隔離についての指示に従わなかつた者  第十条に規定する犬に口輪をかけ、又はこれをけい留する命令に従わなかつた者
 第十一条の規定に違反して犬等を殺した者
 第十二条の規定に違反して犬等の死体を引き渡さなかつた者
 第十三条に規定する犬の検診又は予防注射を受けさせなかつた者
 第十五条に規定する犬又はその死体の移動、移入又は移出の禁止又は制限に従わなかつた者
 第十六条に規定する犬の狂犬病のための交通のしや断又は制限に従わなかつた者
 第十七条に規定する犬の集合施設の禁止の命令に従わなかつた者

頑張って読んで下さった方,ありがとうございます.
法律の文章って読みにくいですよね.
この他にも色々な場合の可能性を考えて多くのことが記載されていますが
私たちが日常のこととして知っておくべきことかなというところだけ抜粋しました.

人命への危険や交通の遮断だの隔離だの殺すの殺さないだのと物騒な文言が飛び交っている法律ですが,実際にこの法律が始動しないためにキチンと狂犬病予防注射を接種いたしましょう.

2012年3月24日土曜日

~映画「アーティスト」公開記念~

4月7日に映画アーティストが公開されます.この映画は今年2月のアカデミー賞で作品賞・監督賞・主演男優賞など5冠を達成したことで話題になりましたね.

この映画で主人公の愛犬役を熱演したのがジャックラッセルのアギーです.
そしてアギーはTVや映画作品に貢献した犬たちの名演を称える賞として今年初めて開催されたゴールデン・カラー賞も受賞しました.


アギーは殺処分されかけたところを動物トレーナーに保護され世界的に有名な俳優犬になりました.まさにシンデレラストーリーですね.
アギーは今後は映画やテレビからは引退し、ペットを大事にするように呼びかける活動などを行う予定だそうです.


このような経歴をもつアギーが熱演している映画「アーティスト」が日本で公開されることを記念して「ジャパニーズ・アギーを探せ!!キャンペーン」が実施されるそうです.
どん底から幸せを掴んだエピソードや愛犬が自分の危機を救ってくれたエピソードなどが募集されています.


キャンペーン詳細はこちらのホームページをご覧ください.
http://artist.gaga.ne.jp/

応募されたエピソードの中から選考で賞品も当たるようです.

どのような経緯でお家に来た子であれ,みんなそれぞれに素敵なエピソード,悲しいエピソードいろいろ持っていると思います.そのエピソードは誰かに評価してもらったり,優劣をつけるものではないとは思いますが,みんなでその子の歴史を共有し共感できたら素敵かなと思います.
是非ホームページご覧ください.

アギーのような経歴の子が話題に上り,多くの人が動物たちの殺処分の現況に関心を持ってくれるのはとても素晴らしいことだとは思うのですが,個人的には少し不安も感じます.
アギーについて様々なメディアで取り上げられるようになるとジャックラッセルブームというのが起きるのでは,という懸念です.
実際イギリスの動物保護団体ではアカデミー賞の直前からアギーと同犬種のジャックラッセルテリアに関する問い合わせが倍増しているそうです.


ジャックラッセルはもともとキツネやネズミ狩りのためにジョン・ラッセルさんがブリーディングした犬で,フォックスハウンドにビーグルやブルドッグを交配しています.キツネやネズミを追い立て補殺する為の狩猟犬ですから攻撃的な面をもちろん持ち合わせています.それは家庭犬となった現在でも変わりません.ジャックラッセルが日本で増え始めたのは,映画「マスク」で人気が出た時からです.しかしその後,咬傷事故その他多くの理由で少なくない数のジャックラッセルが捨てられてしまいました.

今回のアギーの活躍が,ジャックラッセルの新たな不幸を招かないことを願ってしまいます.

2012年3月17日土曜日

今日はノミのお話です.

動物病院のブログでノミの話題といえば13℃以上になったらノミ・マダニ予防しましょうね,という話題だと予想されますよね.
予防してもらいたのはヤマヤマで,動物を飼う上でのマナーだと思いますが,今日はもうちょっとノミという虫について関心を持っていただこうかなと思いまして,くだらない雑談をしてみたいと思います.

ノミ.
漢字で書くと蚤.
ちなみに「掻く」という漢字は手偏にノミと書くのは実感がこもってますね.
ヒトノミ(人につくノミ)の学名は「ピュレックス・イリタンス」というのですが,直訳すると「ゴミから生じたイライラさせるやつ」ということになるそうで,洋の東西を問わずノミにはイライラさせられてきたのですね~.

ノミは現在知られているだけでも世界中に2千種類もいます.
それぞれ好みの寄生動物がいて,ヒトノミ,イヌノミ,ネコノミ,ネズミノミと分けられるのですが,周囲に自分のターゲットが居なければ一時的に違う動物から吸血することもあります.
ネズミノミが人に付いて起こした怖ろしかった(過去形)病気といえば「ペスト」ですね.ヨーロッパでの大流行が有名ですが1665年のロンドンの大流行では7万人が亡くなったそうです.
北里柴三郎がペスト菌の発見したのが1894年で、リストンが同じ菌をノミの消化管で発見したのが1905年なので流行当時は原因も対処法も分駆らない状態だったんです.怖かったことでしょうね.

最近のニュースで中国の1憶5000万年前の地層から体調2cmのノミの化石が発見されたというのがありました.
恐竜が地球上を闊歩していた時代からノミは寄生可能な動物に合わせて自身を変化させ現在まで生き続けているんですね.もの凄い歴史とず太い根性を感じてしまいます.

ノミではないですが,ノミと一緒に話題になることの多いマダニに関してもニュースを見つけました.
なんと真空状態の容器内で動くことができるそうです.なぜ真空状態で生き続けられるのかは今後の研究だそうですが,その生命力の強さに驚愕です.

ノミ・マダニともに嫌われ者のイメージが強いですが,
「嫌われ者世にはばかる」ということでこれからも人間とノミ・マダニの戦いは続くのでしょうね.

今回のブログでノミ・マダニのしぶとさを感じてもらえた方々
是非愛犬・愛猫をその脅威から守ってあげてくださいね.

もうすぐ春です!もうちょっとの我慢です!

みなさん,こんにちは!!
スミマセン,またまた久方ぶりのブログ復活です.
もう何度も言い訳しておりますので,これからは定期的にキチンと更新いたしますっ!などとは言いません.(でも,出来る限り頑張りますね)

さて,季節は巡り,3月も半ばを過ぎました.
みなさんお待ちかねの春も,もうすぐそこまで来ていますね.

春はいいです!
何よりも凍えるような寒さは無い.その上,クラクラするような暑さもない.
適度な,極めて適度な,身体にとてもよ~い季節であります.
そして,桜が咲き,新しいスタートが始まり,人々や動物たちが動き始めます.
寒さ対策でたくさん重ね着をしていた重荷から,気持ち良く解放してくれますね~.
だから,春は一年のなかでも最高に好きな季節です.
が……,花粉症の人にとっては,何とも忌々しい厄介な,できれば早く通り過ぎてほしい季節でもありますね.
今のところ,私は花粉症の気がないので大丈夫ですが,花粉症に困り切っている方には大変同情いたします.
どうか頑張ってください.(他人事感,ありあり??)

ところで(ここから本番ですが),4月を迎え,新しい年度になりますと,ワンちゃんご家族の皆様は狂犬病ワクチンの季節が来たな~…という実感がわいてくると思います.また,フィラリア・ノミ予防の季節が来たな~…とも感じるのではないかと思います.
そうなんです.その通りなのですが,毎年毎年,フィラリア・ノミ予防は直接的にワンちゃんに実害がありますので,みなさんよく予防されているのですが,こと狂犬病予防注射については,相変わらず接種率が上がっていません.

狂犬病予防接種は,狂犬病予防法により接種義務がありますから,必ず行ないましょう!!
狂犬病に関する詳しいブログは,2010年2月23日と4月23日にありますので,こちらも是非ご覧ください!!
ネットなどで狂犬病について様々なことが書かれていますが,まぁ~~~どれもこれも実に適当な(滅茶苦茶な)情報ばかりです.
日本人の平和ボケには,同じ日本人ながら本当に呆れかえるばかりです.

新型インフルエンザや狂牛病など,直接人命にかかわる病気が流行或いは侵入してきたら,とたんにパニックに陥り「えらいこっちゃ!えらいこっちゃ!!」と大騒ぎするのに,「狂犬病??別に~.だって,日本にないじゃん」ってな具合.
改めて言いますが,狂犬病は,犬だけの感染症ではありません.
ヒト,イヌを含む,全ての哺乳類に感染します.
大変な努力の結果,日本にはいわゆる野良犬はほとんどいなくなりました.でも,野良ネコちゃんはとてもたくさんいます.日本は国土が狭いうえに,都市部にも田舎にも,平野部にも山間部にも農村にも漁村にも,たくさんの野生動物がいます.
なので,ひとたび,狂犬病のような感染力が強くて致死率が高い感染症が侵入してしまった場合には,蔓延を防ぐのに大変な努力が必要になるのです.
そのための最低限の努力が狂犬病予防注射です.

「この際,再び日本でも狂犬病が発生すればいい.そうすれば,接種率が上がるでしょう.更に猫も接種義務も浮上してくるでしょう」という強硬的な意見があります.
私は,この意見には賛成できませんが,このままでは,近い将来そういう事態が自然と起こるのではないかと懸念しています.

平和ボケは絶対にダメですが,平和であり続けることが不断の努力によって成し遂げられているということを,国民全体がきちんと認識する必要があると思います.

今日の久々のブログは,ちょっと真面目なブログになってしまいましたね.
根は極めてオチャラケ系なので,頑張って書きました.
ご家族みんなで考えていただければ幸いです.